ニュース記事
今年度から始まった科研費新学術領域研究「3次元半導体検出器で切り拓く新たな 量子イメージングの展開」では、H26-H27年度の公募研究を募集しています。
ご応募に際しては、 http://www.mext.go.jp/a_menu/shinkou/hojyo/boshu/1339062.htm
(2)継続の研究領域 - 2)公募研究の計画研究調書 をご参照下さい。
新学術領域研究「3次元半導体検出器で切り拓く新たな量子イメージングの展開」
X線・赤外線・荷電粒子線等の量子線を用いた測定では、量子それぞれを可視化する 事が重要である。本領域では、二種類のシリコン層を絶縁層を介して張り合わせたシ リコン基板技術 ?(SOI: Silicon-On-Insulator)をベースに、高感度ピクセルセンサと 集積回路とを3次元的に一体化させた検出器の開発と、これを用いた新たな量子イメー ジング測定手法の研究を目指している。
SOIピクセル検出器では、センサと回路を一体として半導体微細加工技術で製造し、 それぞれ独立に最適化することができる。また2つのSi活性層のいずれにも能動素子を 形成することができ、この2重活性層を利用することで、単一量子の検出と極低ノイズ でのエネルギー計測を同時に行うなど、従来型デバイスでは実現できない新たな機能 の展開を目指している。本領域研究は、半導体デバイス研究者と、多分野の先端計測 研究者とが集まり、日本を拠点に新たな研究開発集団を形成するユニークなものであ る。
このため、以下の項目について「計画研究」により重点的に研究を推進するととも に、2年間の研究を公募する。1年間の研究は公募の対象としない。また、研究分担者 を置くことはできない。
公募研究の採択目安件数は、単年度当たりの応募額680万円を上限とする研究を5件 程度予定している。
検出素子の試作に関しては、計画研究A01が取りまとめる試作機会と合わせて行うこ とが可能で、この際新たな費用は要しない。他の計画研究等ですでに開発した素子を 利用した提案も可能である。公募研究には、新しい原理に基づく開発提案はもとより、 計画研究がカバーしていない領域、特に生物や医学への応用を目指した研究の提案を 歓迎する。応募者は過去に半導体検出器の設計経験を有する必要はないが、放射線検 出器を使った実験経験があることが望ましい。また、若手研究者による挑戦的な提案 や萌芽的な観測・理論のアイデアも期待する。
(研究項目)
- A01 SOI 3次元ピクセルプロセスの研究
- A02 SOI技術を用いた極低ノイズ・高速イメージングデバイスの研究
- B01 宇宙最初期ブラックホールの探査研究を実現する衛星搭載X線精密イメージングの 開拓
- B02 ダストに隠された宇宙の物質進化を暴く 極低温SOI赤外線イメージングの開拓
- C01 高輝度加速器実験のための素粒子イメージング
- C02 X線自由電子レーザーによる超高速ナノ構造解析用検出器
- D01 放射光を用いた空間階層構造とダイナミクス研究のためのイメージング
- D02 投影型イメージング質量分析による迅速で高解像度な生体内分子イメージング
(適当な研究項目が無い場合は、近い研究分野あるいはA01を選択して下さい)
領域番号:2508
領域略称名:量子イメージング
研究領域名:3次元半導体検出器で切り拓く新たな量子イメージングの展開
領域代表者:新井康夫